小説書きの嘆きを訊く「文派の個独」

第八回 野月あおい氏
野月あおいの人生独り相撲
■ご挨拶
 みなさんごきげんよう。「いっちょまえ」管理人、野月あおいです。
 今回は「文派の個独」第八回を担当させて頂きます。
 
 「文派の個独」のテーマというのが、文筆活動について失敗談やら落ち込んだ事、違和感を感じる事。だということだとそうですが、恥ずかしながらそんな失敗したり落ち込むほど立派な文筆活動とやらはしておりません。
 他のSSサイトの方々に比べたらば、素人にありがちな事例ばかりで、サイトのSSは話が進んでいないので悩みというのもおこがましいのですが、僭越ながら文章を書いている上での悩みを少し書こうと思います。
■キャラを作る悩み
 趣味のサイトなので、題材については好きなモノを書くので、悩みというのは無いです。
 例えば私は「ほのぼらぶらぶハードエロ」「ふたなり」「スカトロ」等、ジャンルとしては好き嫌いの別れるモノを書いておりますが、マイナーさ故の疎外感を感じたことはありません。
 話の作り方としては、私は大体はキャラクター作りから入ります。こういう好きなキャラをアレコレさせたいと思うのですね。好きなキャラというのはどういうタイプか、漫画アニメゲームをしていれば自然と好きなキャラはの傾向は分かるのですが、いざ自分で作ろうとすると、理想の要素ばかりが固まって「綺麗なキャラクター」しかできないのです。妄想するだけならそれでもいいのですが、いざ話の中で動かそうとすると魅力的か……と言われれば、印象の無いキャラクターになってしまいます。
 そこで最低でも一つだけ欠点を設けると、意外とすんなり動き出してくれるものです。キャラクターが自分で躓いて問題を作って解決に導く話になっていきます。
 また、キャラクターの人数の問題もあります。私はハーレムモノが好きなのですが、人数が増えるとキャラクター性が被ります。また「こういう話をこのキャラにさせたい」と書こうとしても、他のキャラにも同じような事をさせたいと思うとなかなかどうしたものかと悩みます。名前変えただけでやってることは同じじゃん、と思われるからです。いやしかし作ってる側としてはキャラクターが違うから全然話の中身は違うのですよと思っている訳です。その辺を読み手に分かって貰うにはそのキャラクターの作り込みや、その場面での表現方法を手を変え品を変え書かないといけないです。
■話を作る悩み
 物語についてですが、私が作ってるのはエロも込みのお話です。ジレンマの主としては、自分も読み手なのでよく分かる話なのですが、エロと通常のシーンの比重です。正直読み手としてはとにかくエロが読みたい、通常シーンは読み飛ばすくらいの勢いで斜め読み。つまりエロシーンが引き立つだけの極力短くかつ印象に残る通常シーンが求められる訳です。
 ですが、私としてはライトノベルのような読ませる通常シーンを書きたい、エロシーンも同等の質で書きたい。そうすると作業量が増えるのもそうですが、短くすれば割と誤魔化せる設定も細かく勉強しなくてはならなくなります。
 またそういう自分なりの本格的な話を書こうとし、それをハーレム物にすると、話の全体が長くなります。その中でエロのパターンも被ってしまうのも悩みの種です。
 俗に言う「厨二病設定」と呼ばれるパターンがありますが、そういう人によって玉虫色に意味合いが変わる乱暴なくくりに拘ってしまうと、世の中にあるライトノベル全てが厨二病作品なので、その辺りについては一時期は悩んでいましたが、今は気になりません。楽しむために作る・読むなので、余程破綻した内容でなければある程度の過激さは架空の話として必要だと思います。その物語の、またそのキャラクターの信念を伝えられれば、設定や話がありきたりだったりぶっ飛んでいても面白い作品として評価されるのではないでしょうか。
■作業の悩み
 書く作業についてが、私に取っては一番の悩みです。キャラや話のネタは暇さえあれば妄想する癖が付いているので、割といいのですが、いざPCの前に座って「さぁやろう」という姿勢が取れないのです。もともと面倒くさがりな性格で、ギリギリにならないとやらないのです。毎度毎度同じ事の繰り返しで泣けてくるくらいに学習能力が無いので、その辺りの悩みはこのエッセイのお題目に沿う話かもしれません。
 一番パワーがいるのが、書き出す時ですね。最初の文字を打つのにかなりの時間を要します。一度書いてしまえばその後はネタ帳や頭の中にある程度作り上げてる話を打つことができます。好きな音楽を延々リピートしてトリップするとより効果的です。書き始めてしまえばそこからどんどんエンジンがかかってきて、なんで今までやろうとしなかったんだろうとか自分を省みないアホな事を思ったりします。つい最近ではあまりにギリギリな作業の反動で、Tシャツを頭まで被って「ジャミラー」とか言いながらタバコを吸ってキーボードを打ち続ける奇行をしていました。誰も見ていないのでギリギリ許せるかと思います。
 同人活動はほそぼそと書き上げていますが、最初に書いた通りサイトのSSはもう数年ストップしたままです。この場に誘われたのは良い機会なので、気持ちを一新してサイトのSSも今後は真面目に取り組みたいと思います。
■おわり
 とりあえずそんなところでしょうか。今後はもっと文筆活動を頑張って、誰かのためになる話の一つや二つは書けるように色々と経験を積みたいと思います。
 それではまた機会があれば。
野月あおい
2008年10月30日
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