小説書きの嘆きを訊く「文派の個独」

第九回 真木氏
「文派の個独」 第九回

 はじめまして。
 この度、「文派の個独 第九回」を担当させて頂くことになりました、「ここでお別れしようよ。-別部屋」管理人、真木で御座います。
 まずは簡単に自己紹介させてくださいませ。
 ガチレズです。
 根暗です。
 上記サイトにて、レズエロ小説を書いております。六割どん暗いです。
 逃げも隠れも致しません、石を投げよ槍を持て、わたくし立派な変人さんで御座います。
 負けませんぞ。

 さて、今回「文派の個独」を書かせて頂くにあたって、提示されたテーマは、「自分が追求している表現やジャンルについて、周囲の賛同や理解を得られず、孤独を感じた、違和感を覚えた、浮いてしまった、などの体験談、失敗談、また常常感じていることなど」を、また、「文筆活動はしんどさと隣り合わせ的な作家の苦悩や嘆き」を、「さくっと読める格好付けのない形式で綴ること」。
 です。
 元より格好付けなど出来ない性分、御見苦しい点もあるかと思いますが、早速語って参ります。



【ガチレズがレズエロを書くと言うこと】

 感じます。
 ひしひしと孤独を。
 今でこそ、レズエロ書きのガチレズさんにお知り合いが出来ましたが、最初はぽつんとひとりでした。
 第一需要があるのか需要が? 百合ならまだよかった、だがしかし、わたくしの書きたいものはレズ。しかもエロ。この時点で地雷を踏んでいるような気が。
 批判がなかったとは言いますまい…。
 わたくしが殿方でしたらまだよかったのでしょうが、どこからどうつついてもガチレズ、レズ張本人が世の誤解を招くようなエロ小説を書いていてどうする、というような御指摘も受けました。
 「それからちょっと! レズじゃなくって、ビアンって言いなさいよ!」 あーはいはい。
 孤独だ…。
 レズがエロスを追求しちゃいけないの?
 今でこそお知り合いも増え、心強い限りですが、そんなわけで暫くはひたすらに孤独でした。
 閲覧者様からの拍手や感想が心の糧、本当に嬉しかったです。(勿論、今でも、最高に嬉しいです)



【何はなくともエロシーン】

 レズエロ小説サイト、と、自ら明言したからには、エロを書かねばなりません。
 そのために作った箱です。
 しかし、気分も乗ってにやにやしつつエロを書きまくるときなど、まずもってない、殆どない。
 エロが書きたいはずなのに、エロがなかなか書けない。
 PCの前で頭を抱えてしまうことしばしばで御座います。
 何故自分がエロ小説を書きたいと思ったのか、油断をするとときにふと、オノレで不思議になるほど、わたくしは性欲というもの自体が薄いです。(ないわけではありません)
 勢いで勝負をするには少少枯れております…。
 今思うにわたくしは、何か生生しく切実なものが書きたかったのでしょう。剥き出しで、グロテスクで、切実なもの。
 であるからこそ、余計に、書けない! キーボードを打つ手も強張るというものです。それでも、エロを! エロの神様舞い降りよ。
 エロスというものは、汚らしくも美しい、永遠のテーマだと思います。
 正直、わたくしとしては、エロシーンのない小説のほうが、書きやすい。だが、わたくしはエロが書きたい。しかしエロは難しい。
 部屋中ごろごろ転がって、苦しみながらエロ書いております。書きたいから書くのです。ごろごろ転がっている時間こそが至福です。
 苦しいけれど気持ちいい。軽くマゾなのでしょうか。



【レズエロの位置付け】

 サーチ様等に登録させて頂くときに、浮いてしまうことが度度御座います。
 「レズ」「同性愛」などと言うカテゴリがあれば、こっそりとそこに入れて頂くのですが、そう言った分類が一切ない場合はどうなるのか。
 「男性向け」とも限らない。「女性向け」だと意味が変わってきそうな…。
 イベント等でも、どの枠で出たらいいのかいつも困る、という話を耳にします(よくあるように、「男性向け」、「女性向け」で括られてしまう場合)。
 「レズエロ」が、もう少し、一般的で、普通の、当たり前なジャンルになればいいのにと思うのですが…難しいもので御座います。
 わたくしとしては、ときに攻撃対象にもなりがちな、ガチレズが書いたレズエロ小説、と言うのを前に前に出していきたいのですが、そもそも出す場がなかったり。
 文字を書くという趣味においてさえ、マジョリティ街道から外れてしまったなあと偶に寂しくもなりますが、いいえ何ひとつ後悔はしていない! 書きたいことを書くだけだ。
 醜悪なストリッパーのようにして、文字を綴っております。
 ちなみに、わたくしの書く小説のターゲットは、セクシュアリティにかかわらず、大人な男性、大人な女性、大人なその他さんで御座います。つまり、十八歳以上のかた、ひとり残らず総て。
 そう、あなた様もで御座います。


 ■

 さてさて、そろそろあなた様も、お疲れで御座いましょう。
 これ以上長長と語っても見苦しいだけ、それでは、このあたりでわたくしは失礼致します。
 御依頼内容に添えた自信はあまりありませんが…、孤独を感じたこと、しんどいこと、浮いてしまったこと、の三つについて、つらつらと書かせて頂きました。
 今後も精進して参ります、わたくしの小説とあなた様が接する機会がありましたら、どうぞよろしく御指導くださいませ。
 最後に、今回の機会を与えてくださったDAI様、ここまでお付き合いくださったあなた様に、心よりの感謝を申し上げます。



2010.1.20 真木

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