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拘りの人の拘りを聞く「拘りの鉄」
アハト氏
第74回 「奇形」アハト氏

第74回 拘りの鉄 〜 奇 形 〜

○ ごあいさつ
 
 ほとんどの方ははじめまして、奇形とエロとグロサイト『にブロ』の管理人、アハトです。
 今回、この場をお借りして、当方のメインコンテンツの一つ『奇形』の魅力について語らせていただくこととなりました。
 まず、いつもお世話になっておりますX-rated search様に感謝申し上げます。貴重な機会を本当にありがとうございます。
 では『奇形』という単語に面食らわれた方も多いと思いますが、少しでも興味を持たれた方は、このまま最後までおつきあいただけますと幸いです。

○ 奇形って?
 
 ニッチすぎて、ジャンルとして確立しているかどうかも怪しい分野ですので、定義は人様々です。
 実在する奇形を参考に描かれる方もいれば、最近流行りの単眼娘のような、ファンタジックな奇形を好む方もいらっしゃいます。事故や暴力による欠損や自発的な肉体改造も、後天的な奇形と言えるでしょう。
 一貫した定義と言えるのは、人でありながら身体的に“異常”であること。つまり、両目・鼻・口・両耳・両手・両足・指は五本・中肉中背……などなど、私たちが普通と考える姿形や機能から少し、または大いに、外れていることです。あくまで“普通の人間”という基準あっての奇形ですので、妖怪や魔物、ファンタジー種族のような人外系のジャンルとは異なります。
 描き方も人それぞれです。退廃・耽美のモチーフとして、作品のアクセントとして。加虐の対象として、あるいは愛玩の対象として。幻想的な作風にもよく合います。最近では、奇形のいる日常的な風景を描かれる方が増えてきたように感じます。
 そんな中、当サイトでは奇形を持ったキャラを『奇形っ子』と称し、『ほのぼの奇形っ子』をテーマに、ライトに、ポジティブに、主に先天的な奇形について扱っています。

○ どんな奇形があるの?
 
 紹介の意味も込めて、簡単にではありますが、先天性の奇形について分類してみました。あくまでイメージであり、医学的見地には基づいていません。
 
  ・  たす

 多肢や多指、寄生二重体など、普通の身体に何かが加わったもの。部位や形状によっては美的・機能的優位性を生みますが、逆に弊害となる場合もあります。
 
  ・  ひく

 身体の欠落はどこであれ、不便さに繋がります。しかし、失われた機能を補う知恵と努力は、人の可能性を教えてくれます。またミロのヴィーナスのような、欠損の美はよく知られています。
 
  ・ × かける

 多重体、結合双生児達は、一人として見るとプラス、二人として見るとマイナス、不思議な感覚を見る側に与えます。頭部が二つあり意志が二つある場合、二人として数えるのが妥当でしょうか。結合の部位や仕方は様々で、元々創作分野での双子の人気と相まって、特にメジャーな奇形のように思います。
 
  ・ ÷ わる

 変化・変形・変質。あるべきものが違った形をとる。魚鱗癬、逆間接、小人、多毛、巨人、肌・骨・関節・内臓・器官の奇形……ほとんどの奇形がこのカテゴリに含まれます。最もバラエティに富んだカテゴリです。

○ どこがいいの?
 
 他にはない先天的な奇形の魅力について、語ってみます。
 
  ・ 肌のしさ

 奇形自体は不自然であるにもかかわらず、自然に続く肌の流れが、先天性ならではの魅力です。逆に後天性であれば、傷跡・接合痕萌えなどに繋がるでしょう。
 
 ・ 罪の

 先天性ということは、後天的な傷や欠損にはつきものの、事故や暴力という悲しい記憶が存在しないということです。生まれつきこうなんだから、と本人達の不全感もありません。
 
  ・ 人の

 上記に反しますが、明るく楽しく生きている奇形っ子達も、奇形のせいで辛い思いをすることがあります。どんな世でも悲劇が喜ばれるように、人は不幸を好みます。
 
  ・ 人の

 しかしそんな中で、たくましく、あるいはひょうひょうと生きる姿に惹かれるのもまた事実です。生まれ持ったポテンシャルで勝負しなければいけないのは、奇形っ子であろうと無かろうと同じ事ですが、逆境はことさら人の心に火を付けます。
 
  ・ 描くしさ

 そして、奇形っ子を描くのはとても楽しいのです。逆に曲がる関節や複雑な結合を描くのは奇形っ子ならではの醍醐味です。逆転の発想を必要とする、頭の体操のようです。

○ 愛し方も様々
 
 いくつかのパターンを、奇形っ子自身で表してみます。
 
  ・ 奇形だから愛しい

 ドジっ子がドジじゃなかったら好きになっただろうか、メガネを外したメガネっ子を好きなままでいられるだろうか。ナンセンスな疑問です。奇形だからいいんです。
 
  ・ 奇形なんて気にしない

 奇形なんて全く問題ないよ。あるいは、大したことないよ。たまたま好きになった相手が奇形だった。奇形だけど好きだよ。
 誰にでもコンプレックスはあります。それを無理にポジティブに煽るよりも、放っておいてあげるのもまた愛です。
 
  ・ 奇形ごと愛する

 奇形なところもそうじゃないところも、全部引っくるめて丸ごと愛してる。
 私の作品では奇形っ子が主題となりますが、それを受け入れる側もまた、重要な要素の一つなのだと最近思い始めました。それは奇形っ子達のお互いであったり、他の誰かであったり、奇形っ子達の周りの環境・雰囲気であったりします。
 
  ・ 奇形と向き合う

 共に生きるということ。
 奇形っ子達の中には、日常的に介助が必要な子もいます。する側もされる側も大変な思いをすることもありますが、それを当たり前と思ってる世界が一つの理想です。真面目に描くには重い話題ですが、作品にさりげなく取り入れることで、その理想を表現できるのではないかなと思っています。

○ さいごに
 
 ざっとではありますが、奇形の魅力について語らせていただきました。いかがでしたか?
 奇形、というとそれだけで顔を背けられるような、忌避の強いジャンルです。言葉から連想されるネガティブなイメージのせいでしょう。しかし無条件で無闇な忌避の裏を探れば、人を惹きつけてやまない魅力が隠されているように私は感じます。
 つたない文・絵ではありますが、その魅力を知っていただく一助になればと願いを込めて、結びとさせていただきます。
 

 
 蛇足となりますが、私のサイト『にブロ』は奇形っ子とエロとグロを扱っています。もしお越しの際には、ほのぼの奇形っ子と平行してエロとグロも雑多に展示しておりますことを、ご留意下さい。

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